故郷に錦を飾る
故郷に錦を飾る
[よみ]
こきょうににしきをかざる
[意味]
出世して故郷に帰ること。
[注釈]
「故郷へ錦を飾る」「錦を衣て故郷に帰る」ともいう。
[語源]
司馬遷『史記』に記される項羽の言葉「富貴不歸故鄉、如衣繡夜行、誰知之者」(成功して故郷に戻ってその姿を見せないのは、錦の服を着て、真っ暗な夜歩くようなものである。誰も、気づかないではないか)を通俗的に言ったものであろう。なお、この語でも、一般的な用法としても錦は着るものであって、かざるのは異例。「かざる」に至るまでは、以下に示すとおり「着る」としているもの、又は着ることを前提とした用法のものがある。
・故郷へ錦を着るというほどでもないが、まあ教師になって這入った。そうして初めて教えたのが、今いう安倍能成君らであります。(夏目漱石 『模倣と独立』)
・帰省者も故郷へ錦ではない。よって件の古外套で、映画の台本や、仕入ものの大衆向で、どうにか世渡りをしているのであるから。(泉鏡花『古狢』)
[用例]
甲陽鎮撫隊で大名格にしてもらひ、故郷へ錦を飾つた積りの穉気振りなど、往年の近藤勇とは別人の観がある。(菊池寛 『大衆維新史読本 池田屋襲撃』)
[類句]
『Wikiquote』より
カテゴリ:生活
地域区分:中国の諺