得手に帆を揚げる
得手に帆を揚げる
[よみ]
えてにほをあげる
[意味]
機会に恵まれ、自分の得意な事を(調子に乗って)大(おお)いに揮(ふる)うこと。
[用例]
柏原の駅で泊るべき予定を、わざわざこの良夜のために、寝物語の里まで伸(の)して、そこで風流を気取ろうとして来てみた、二人の被布(ひふ)を着た風流客は、意外にも、たのみきって来た風流寝物語の里はあだし先客に占められてしまった溢(あぶ)れの身を、せん方なく、もう一里伸して不破の古関で月を眺めることによって、一段の風流を加えようという気になって、得手に帆を揚げるような下り坂の道を、車返しでも踵(きびす)をめぐらすことをせず、悠々として月の夜道をたどりました。(中里介山『大菩薩峠』)
[類句]
『Wikiquote』より
カテゴリ:希望
地域区分:日本の諺