馬祖道一の名言
迷に対して悟を説くに、本より既に迷の無ければ、悟もまた立たず。
一切の衆生、無量劫より、法性三昧を出ず。
長く法性三昧中に在り、着衣喫飯、言談して祇に対す。
六根の運用、一切の施為、尽く法性たり。
… 汝等諸人、各々自心に達して、吾が語を記する莫かれ。
[原文]
對迷説悟、本既無迷、悟亦不立。一切衆生、從無量劫來、不出法性三昧。長在法性三昧中、著衣喫飯、言談祇對。六根運用、一切施爲、盡是法性。 … 汝等諸人、各達自心、莫記吾語。
[補足]
迷いに対して悟りを説くのに、本より迷いが存在しないのならば、悟りも立てようがないではないか。
一切の生きとし生けるものたちは、遥かな昔から、法性三昧の外に出ることがなかった。
長い間、法性三昧の中にあって、服を着て飯を食い、話しをしたりといった具合いに生活をしてきたのだ。
その、六根の運用、あらゆる行いが、ことごとく法性(=仏性)であったのだ。
… (会下の衆僧に対して)諸君、各自が自らの心に到達せよ、私の言葉を記録するな。
『江西馬祖道一禅師語録』より
カテゴリ:心・感情